25話「ロリのために囮作戦を考えたが、俺はロリコンではない②~囮作戦スタート~」


吸血姫はアホ可愛い


 メモ伏線※
問い;25話の魔物襲撃の意味は?

答え:マスコミ達に報道させてバグダインがすごいやばいやつだって宣伝するためにやった、黒幕側の謀略。


ブログver


※遮断装置伏線

●南の都市ウォーターロード、アメリカの影響力が大きい都市だ。そこに元日本国の首相やら、各国のお偉いさんが多数住んでいて、そいつらとの協力しようとする素振りを見せたら、バグダインは焦るはず。
地上の政治家は、後ろ暗い事がありすぎるとマスコミにぼろくそに叩かれて大変な目に合うから、ブラドみたいな清廉潔白な事で有名な人物相手なら大喜びで迎え入れてくれるからだ。


悪徳都市の皆には、大きな港を保有する装飾都市ウォーターロードがある。ダンジョン世界の中央に位置する巨大な湖と隣接しており、膨大な物資と人間が行き来する交通の要所なのだ。
道中に広がるのは、草原や低い丘の数々。高速で移動するにはもってこいの道で、バグダイン側の刺客が襲撃してくるはずだ。
政治家は選挙で落選すれば、ただの人間にすぎない。ブラドさんを殺害して落選させない限り……バグダインは今までのような贅沢三昧、スケベーしまくりの生活から永久に退場し、今までの汚職の数々が告発されて刑務所送りだ。
十台の白い装甲車が、今、草原を走っている。搭乗者はブラドさん本人と、護衛の冒険者達とテレビ局のマスコミだ。白色の車じゃないと嫌だとゴネられたから、俺も白い装甲車両を新しく購入して乗っている。

「お師様……何も出てきませんね……」

俺が運転している車は、今、護衛車両の一番最後方に居た。隣の助手席には白真珠が暇そうに乗っている。
……うむむ、悪徳都市から100km以上も離れたはずなのに、刺客の姿が全く見えん。テレビ局に情報を流したから、賄賂を貰っているマスコミ関係者が、バグダインに情報を流しているはずなのだ。
俺がバグダインの立場なら、ブラドさんを必ず殺害するに決まっている。特に都市の外は魔物や無法者がウロつく危険地帯だ。ここでブラドさんを護衛ごと殺せば証拠の隠滅も容易い。こうやって暇な時間に耐えるのも冒険者には必要な要素なのだ。

「暇ですねー、お師様ー。戦隊ものだと悪党は一般庶民に対して悪いことをして、目的とか全部ペラペラしゃべってくれるのに暇ですねー。あー、暇だなー」

「……ラジオ付けるから、それでも聞きながら見張りを続行しろよ。うっかり見落として敵の奇襲攻撃が成功したら笑い話にもならんぞ……」

俺はラジオのボタンを押した。すぐに悪徳都市から発信されている電波を受信する。

『ワシが当選した暁にはっ!パチンコの設定はフィーバーモード!一ヶ月間フィーバーモードっー!』

この欲深い愚か者の甲高い声。俺には凄く聞き覚えがある。確か、ブラドさんと対立している――

『バグダインに清き一票を!このバグダインに清き一票をっ!ワシが当選すれば新キョウトは土建大国を目指すぞいっ!ビルもじゃんじゃん建設しまくって、都市を今の二倍に拡張してバブル経済を到来させ、貧乏な連中にも美味しい想いをさせてやろう!じゃんじゃんっ!パチンコ店も玉がじゃんじゃんっー!』

「お、お師様……これって僕のお祖父様を殺そうとする悪党の声じゃ……?」

「ああ……ひでぇ演説内容だな……」

『そもそもぉー!この都市は窮屈に満ちておるっ!それは何故かっ!壁と水堀に囲まれて発展する余地が削られているせいであーるっ!この第一階層にも魔物が溢れるようになってから、ダンジョン世界の人類は重い税金を課されてきたっ!
だがぁっー!ワシなら今の状況を変えられるっ!今よりも冒険者を支援し、積極的に魔物を駆除すればっ!無限のフロンティアが舞い戻ってくるのだっ!ザ・フロンティア・スピリット!ワシらにはまだまだ見果てぬ大地が待っている!』

白「……あれ?なんかまともなような……?」

「いや、この第一階層にすら魔物がウヨウヨしている時点で、人類にそんな余力はないと思うぞ……」

白「でも、魔物相手なら物理攻撃通用しますし。アメリカとか大きな国々の軍隊を投入すれば何とかなると思うんですよ」

「出来るなら、とっくの昔にやっているだろ……ダンジョン世界じゃ、偽の空に衝突する可能性があるから航空機は運用し辛いし、ミサイルなんて低空を飛ぶ仕様の高級品じゃないと意味ないし、地球の表面積と同じくらい広いんだぞ。
それにプロの軍人はとんでもない人件費がかかる上に、死亡したら遺族の生活を保障しないといけないし、めっちゃ金食い虫なんだ」

白「はぁ……そういうもんなんですか?」

「うむ、魔物の繁殖速度は異常だからな。駆除しても駆除しても地面から勝手に生えてくるレベルな時点で、人類側が無理をしたら死ぬな。人件費も冒険者の方が総合的に安いし。死亡しても自己責任だから遺族の生活を保障しなくて済むという大きな利点がある。
まぁ、せめて第二層を奪還する事ができれば……魔物と魔族の連絡を断てて、逆転のチャンスがあると思うのだが」

白「じゃ、第二層を奪還しましょう!」

「魔族がうようよ居て、遮断装置を大量に設置しないと勝ち目がないな」

白「遮断装置?」

「知らないのか?魔族の力を弱らせる電波を発生させる装置なんだ。これが第一層に大量にあるおかげで、魔族は侵攻できないんだ」

バグダイン『公共事業を増やしぃー!偉大なワシは天に召されるであろうっー!そうっ!これは新しい時代の幕開け――』

バグダインの放送演説が途絶えた。これは――どこかで大量の魔法を使っている。もしくは魔物の大群が近くにいる証だ。ハイテク機械は魔力に弱い。電子海路はすぐに壊れてしまうのだ。

白「お師様ぁー!後方から敵ですっー!」

「数は?」

白「えと……1、2、3、たくさん?」

「4以上の数字を数えられないのか!?」

俺はバックミラーで後方を確認した。するとそこには――ジープに跨った膨大な数のレッドゴブリンの集団が居たのだ。
だが、これはおかしい。魔物は魔族の手先。バグダインが差し向けたとするならば――奴は人類を裏切っている。
そういう事になるのだ。

「おいおい……ありえんだろ……何が悲しゅうて魔族に寝返るんだよ……」

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(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚) 冒険者の賃金ってどれくらいでしょう?

(´・ω・`)特に考えてない。物価計算がめどい

(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)こらぁー!?

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